第60回理学療法士・作業療法士国家試験AM共通問題・解説｜問61-65

正答：5

ミトコンドリアは、細胞のエネルギー工場とも呼ばれ、酸化的リン酸化（電子伝達系）を通じてATP（アデノシン三リン酸）を産生します。

主な役割：クエン酸回路（TCA回路）＋電子伝達系により、大量のATPを効率よく生成

正答：1

1. 正しい。
2. タイプⅠは細いのが特徴。
3. タイプⅠは酸化酵素活性が高く、有酸素代謝に優れる。
4. タイプⅠはミオグロビンが多く、赤色筋と呼ばれる。
5. タイプⅠはミトコンドリアが豊富。

正答：5

自律神経系には交感神経と副交感神経がありますが、どちらも節前線維の末端からはアセチルコリン（ACh）が放出されます。

1. 節後線維は基本的に無髄線維です。
2. 自律神経は不随意（意識的にコントロールできない）神経系です。
3. 自律神経は基本的に持続的・自動的にインパルスを発します。
4. 汗腺は交感神経の単独支配で、しかも例外的にアセチルコリンが使われます（通常交感神経ではノルアドレナリン）。
5. 正しい。

正答：5

肺に存在する伸展受容器（肺の過膨張を検知）は、迷走神経（第10脳神経）を介して延髄の呼吸中枢に情報を伝え、**吸気の停止（ヘーリング・ブロイアー反射）**などに関与します。

1. 呼吸中枢は延髄および橋（脳幹）にあります。視床下部ではありません。
2. 末梢の化学受容器は頸動脈小体（頸動脈分岐部）や大動脈小体にあります。椎骨動脈ではありません。
3. 呼吸筋（横隔膜・肋間筋）は随意的にも不随意的にも収縮可能です（例：深呼吸、息止め）。
4. 正しくは、酸素分圧の低下（低酸素）によって興奮します。
5. 正しい。

正答：5

心臓の刺激伝導系は、電気的な刺激が一定の順序で心筋に伝わるシステムです。

その流れは：

1. 洞房結節（SA node）
2. → 心房筋
3. → 房室結節（AV node）
4. → His束（房室束）
5. → 右脚・左脚
6. → プルキンエ線維（Purkinje fibers）
7. → 心室筋

房室結節で一度伝導が遅延されることで、心房と心室の収縮タイミングが適切に調整されます。

1. 正しくは右心房の上大静脈開口部付近にあります。
2. 脱分極はNa⁺（ナトリウム）やCa²⁺（カルシウム）の流入によって起こります。
   K⁺は**再分極（外への流出）**に関与します。
3. P波は心房の脱分極（興奮）に対応します。
   心室の興奮はQRS波です。
4. 副交感神経（主に迷走神経）の作用は心拍数の減少です。
5. 正しい。