「理学療法士をこのまま続けていていいのだろうか」
私は27歳、理学療法士として3年半働いたあと、この仕事を辞めました。
急性期・回復期の両方を経験し、ある程度の臨床経験を積んだうえでの決断です。
理学療法士は、やりがいのある仕事です。
一方で、実際に働いてみなければ分からない現実も多くあります。
この記事では、感情的な不満や愚痴ではなく、
なぜ私が理学療法士を辞めるという選択をしたのかを、当時の状況や考えを振り返りながら整理して書いていきます。
同じように悩んでいる理学療法士や学生の方にとって、
一つの判断材料になれば幸いです。
理学療法士を辞めた一番の理由は「将来への不安」
理学療法士として働く中で、最も大きかったのは将来性への不安でした。
理学療法士の給与は、診療報酬制度の影響を強く受けます。
- 経験年数が増えても昇給幅は大きくない
- 努力や成果が直接給与に反映されにくい
- 管理職や役職に就かない限り、収入の上限が見えやすい
もちろん、安定した職業であることは間違いありません。
しかし当時の私は、
「この働き方を続けて、10年後・20年後に納得できる生活を送れているだろうか」
という疑問を、常に抱えていました。
周囲の先輩理学療法士を見ても、
働き方や収入面で大きな変化がある人は多くありませんでした。
その現実を知るにつれ、
将来に対する漠然とした不安が、次第に大きくなっていきました。
出勤しなければ成り立たない働き方への疑問
理学療法士の仕事は、現場に出勤しなければ成り立たない職業です。
- リモートワークはほぼ不可能
- 体調不良や家庭の事情があっても代替がききにくい
- 年齢を重ねた後の働き方を想像しづらい
20代のうちは体力的に問題なく働けます。
しかし、
「この働き方を40代、50代になっても続けられるのか」
と考えたとき、明確な答えを出すことができませんでした。
将来を考えたときに、
働き方の選択肢が少ないことが不安要素として残っていました。
学会発表を“半ば強要”される環境が合わなかった
学会発表や研究活動は、理学療法士として成長するうえで重要なものです。
その点は、今でも理解しています。
ただ、私がいた職場では、
- 学会発表がほぼ義務のような扱い
- 業務時間外での準備が当たり前
- 発表しないと評価が下がる空気
がありました。
臨床を大切にしたくて理学療法士になったはずなのに、
発表のための資料作成や作業に多くの時間を割かなければならない状況に、次第に違和感を覚えるようになりました。
「この努力は本当に自分が望んでいる成長につながっているのだろうか」
そう考えることが増えていきました。
上司のパワハラ気質と、職場全体の雰囲気
職場環境も、辞める理由の一つでした。
上司の言動が強く、精神的にプレッシャーを感じる場面が少なくありませんでした。
明確なパワハラと断定できない場合でも、
日々の積み重ねは確実にストレスになります。
また職場全体として、
- 「この職場を辞めたい」と話す人が多い
- 将来に希望を持てていない雰囲気
- 不満が日常的に共有されている
という空気がありました。
「辞めたいと思っている人が多い職場で働き続けること自体が、正直しんどい」
そう感じるようになったのも、自然な流れだったと思います。
勉強会がほぼ毎日あり、心身ともに余裕がなかった
理学療法士は、学び続けることが求められる職業です。
その点は間違いありません。
しかし当時の職場では、
- 勉強会がほぼ毎日
- 業務後に行われることが多い
- プライベートの時間がほとんど取れない
という状況が続いていました。
学ぶこと自体は嫌いではありませんでしたが、
休む時間や、自分の将来を考える余裕がなくなっていたのが正直なところです。
疲労が抜けないまま働き続ける日々に、限界を感じていました。
エンジニアという職業への憧れが強くなった
辞める決断を後押ししたのが、身近な成功例の存在でした。
大学の同期に、
理学療法士からエンジニアへ転職した人がいました。
- スキル次第で収入が伸びる
- 成果が評価されやすい
- 働き方の自由度が高い
理学療法士は診療報酬制度の影響を強く受けますが、
エンジニアは自分の技術次第で収入が変わる世界です。
当時の私は、
「努力が正当に評価され、収入にも反映される環境で働いてみたい」
という思いを強く抱いていました。
辞めると伝えた瞬間、気持ちが楽になった
理学療法士の将来に不安を感じながら働き続けることは、
想像以上に精神的な負担でした。
辞める意思を上司に伝えたとき、
不安よりも先に気持ちが軽くなったのを覚えています。
「やっと正直な気持ちを出せた」
そう感じた瞬間でした。
理学療法士を辞めたのは「逃げ」ではなく選択だった
今振り返っても、
理学療法士を辞めた理由は衝動的なものではありません。
- 将来への不安
- 働き方への疑問
- 職場環境とのミスマッチ
- 別の可能性への挑戦
これらを総合的に考えたうえでの、
当時の自分なりの判断でした。
これから理学療法士を辞めようか悩んでいる人へ
理学療法士を辞めることが、正解か不正解かは人によって違います。
ただ一つ言えるのは、
- 不安を無視したまま働き続ける必要はない
- 外の世界を知ること自体は決して無駄ではない
ということです。
次の記事では、
- 一般企業・エンジニアを目指して転職してみて感じた現実
- なぜ最終的に理学療法士に戻る選択をしたのか
について、正直に書いていこうと思います。
同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
